相続税の申告をする場合において、財産の価額がいくらであるかは国税庁から提示されている
財産評価基本通達により相続財産の評価とします。
お墓などわずかな非課税財産を除き、全ての財産が相続税の対象となり、家庭内にある家具や
家電なども含まれ、相続財産は被相続人が亡くなった日時点の時価で評価する事になります。
一般的に多い財産の評価方法は次のようになります。
預貯金
預貯金については、亡くなった日の残高と既経過利息が相続税評価額となります。
又、預貯金から引き出してあっても手元にある現金は、相続財産となるので注意が必要です。
亡くなられる数週間前から当日までに、口座が凍結され使えなくなってはいけないと考えて
葬式費用などにあてるためまとまった額の引き出しをされる事がありますが、亡くなられた時点では手元に現金があると思いますので、その引き出したお金は預貯金の他、現金として相続財産に含める事となります。
引き出して手元にあるお金は相続財産となりますが、そのお金を葬式費用に充てられたのであれば、逆に葬式費用は負債として相続財産から控除出来ますので両建てで計上するイメージですね。
家屋
家屋については、固定資産税評価額により評価を行います。
固定資産税評価額は毎年春ごろに役所から送られてくる固定資産税の通知書に記載されています。
土地
土地については、路線価方式が倍率方式により評価する事になります。
どちらで評価するかは、その土地の場所により国税庁が指定してあります。
下記のリンクより土地の住所をあてはめて「路線」と書いてあれば路線価方式、
1.2などの数字が書いてある場合は倍率方式となります。
倍率方式は固定資産税の通知書に記載されてある、固定資産税評価額にそのまま1.2などの決められた倍率をかけます。(固定資産税の通知書に固定資産税課税標準額と固定資産税評価額の記載があると思いますが、固定資産税評価額に乗じることになります。)
路線価方式であれば路線価図の地図から、該当する住所に隣接する路線価にその土地の面積を乗じて計算した金額が概算の評価額になります。
土地の評価については土地の形状や利用状況などにより、路線価×面積より評価額に調整が入る事が多いです。厳密にはとても難しく土地評価だけの書籍も多数出版されてあります。
路線価方式による路線価×面積は、相続財産がいくらくらいになるかの目安程度に考えられたらいいと思います。
上場有価証券
有価証券は、上場有価証券、投資信託、非上場株式で評価が異なってきます。
上場有価証券は、①相続開始日の終値②相続開始日の月の終値の平均額
③相続開始日の月の前月の終値の平均額④相続開始日の月の前々月の終値の平均額
の内、一番低い価額となります。
各月の終値平均ですが日本取引所グループの下記サイトから調べる事が出来ます。
上場有価証券は値動きが激しいため、単に亡くなった日の価額ではなく、直近の月々の平均額での評価をOkとする趣旨となります。
上場有価証券の値動きは激しいため、この方法により評価した金額が相続税を申告しようとする日における価額と大きく違う事があります。
値動きが激しい小型株などの場合、倍や半分になっている可能性あるかもしれません。
上がっていればいいのですが大きく下がっているとつらいですね
生命保険契約に関する権利
生命保険契約に関する権利とは、保険契約において被保険者が相続人以外で
保険料負担者が被相続人である保険です。
例えば被保険者が子で保険料負担者が亡くなった人であるような保険となります。
この場合の評価額は、亡くなった時点のその保険の解約返戻金相当額となります。
被保険者が被相続人ではないので、被相続人の死亡により保険金は発生しませんが
解約したら財産価値があるという事で評価の対象となります。
名義預金
家族名義の預貯金ではるが、実際は被相続人の預金であると指摘される預金の事です。
よくあるのが、主婦である配偶者の預貯金に多額の貯蓄がある、子供名義の通帳を被相続人が作っておりその口座に子供の知らない預金があるなどです。
そのような場合に該当する場合は、その預貯金が名義預金に該当するかの判断が必要になりますが、基本的には配偶者に所得が過去あったか、自分の親から相続でもらったお金であったかなどが判断材料になってきます。
税理士・福間より
名義預金を含めたら相続税の申告義務があったとなる場合もあるので、名義預金に該当しないか
よくよく検討が必要です。