不動産を相続で取得した場合、相続した不動産の登記を行う事になります。
他の遺産についても遺産分割協議を行い誰が相続するかの話合いが必要ですが、
不動産のみ先に誰が取得するか話合いを行い、不動産の相続登記を行ってから
相続税の申告のご相談を受ける事もよくあります。
相続税の大小は関係なく相続したいお気持ちで分割されたのであれば問題ありませんが、
単に相続した不動産を売却して売却代金を半分づつに分けたい、なので姉妹が1/2づつの
共有で登記した。などが理由の場合もあります。
相続後に不動産を売却した場合、次は相続税ではなく所得税がかかってくる事になります。所得税の譲渡所得になりますが譲渡所得の特例で、居住用財産を譲渡した場合の3,000万控除の特例というものがあります。
住んでいる家を売った場合、利益から3,000万の控除が受けられるという特例です。
今回、例えば妹が相続した不動産に居住しており、姉は別の賃貸マンションに居住している場合妹のみ3,000万控除の特例を受けられることになります。
姉は特例の適用を受けられませんので、姉の持ち分の利益に対して長期譲渡所得の場合約20%の所得税等が課される事になります。
この場合、妹が不動産の持ち分を取得し代償金として姉に金銭を支払うという代償分割で相続をしていれば、不動産を譲渡する申告は妹のみとなり妹は3,000万控除を使えるため所得税が安くなります。
不動産を売却しお金を均等に分けたいという効果は同じで、所得税が軽減される分残るお金は多くなります。
税理士・福間より
遺産分割協議を行い登記が完了していますと、遺産分割のやり直しは贈与となりますので
やり直しは通常は行いません。
相続により取得した不動産登記の期限は3年で、相続税の申告期限は10か月です。
相続税の申告期限の方が先ですので、相続税を加味して遺産分割協議を行った方がよいのではと思います。