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相続税の申告で必要な書類の収集方法について

2025/6/17

相続税申告

相続税申告で必要な書類をスムーズに収集するためには、以下のポイントを押さえておくと安心です。書類は主に「被相続人(亡くなった方)」「相続人」「財産(資産・負債)」の3つに関するものです。


✅ 1. 被相続人に関する書類の収集方法

書類名 収集方法
戸籍謄本(出生から死亡まで) 本籍地の市区町村役場で請求。郵送でも可能ですが、戸籍は本籍を複数回移動している場合が多く、複数個所とる必要がある場合が多いので訪問して役所の担当に問合せながら取得するとスムーズです。
除籍謄本・改製原戸籍 同上。出生から死亡までのつながりを証明するために必要となります。
住民票の除票 被相続人の最後の住所地の市区町村役場で取得する。死亡の事実と最終住所を確認するために必要です。

✅ 2. 相続人に関する書類

書類名 収集方法
相続人全員の戸籍謄本 各相続人の本籍地の役所で取得。相続人を確定するために使用。
相続人全員の住民票 現在の住所を示すため、各市区町村役場で取得。
印鑑証明書 各相続人が住んでいる市区町村で発行。
相続人全員の番号確認書類 マイナンバーカードがない場合には、住民票にマイナンバーを記載して取得すると代用出来ます。

✅ 3. 財産・負債に関する書類

以下は財産の種類別に必要な書類と収集先をまとめています。いづれも亡くなられた方の死亡日における残高の証明が必要です。相続税の申告で使うと伝えればスムーズに進むと思います。

💰 預貯金・有価証券

財産の種類 必要書類 収集方法
銀行預金 残高証明書 各銀行の窓口で申請(死亡日現在の残高)。相続人代表者の本人確認書類・印鑑が必要。他、銀行により相違があるので事前に電話して問い合わせの上
有価証券 残高証明書 証券会社に問い合わせ。口座名義人の死亡と相続関係が確認できる書類が必要。

🏠 不動産

財産の種類 必要書類 収集方法
土地・建物 登記事項証明書、固定資産評価証明書 法務局で登記事項証明書、市区町村役場で評価証明書を取得。

💸 借入金・ローンなどの負債

財産の種類 必要書類 収集方法
借入金など 残高証明書 金融機関、カード会社などに直接請求。

✅ 4. その他の必要書類

書類名 収集方法
遺言書(ある場合) 公正証書遺言を作成している可能性がある場合は公証役場で確認。自筆証書遺言は家庭裁判所の検認が必要。
相続関係説明図 相続人の証明を1枚の書類にしたもの。作成後、法務局での認証が必要。この書類があれば戸籍謄本を必要とせず相続人である事が外部に証明出来るので、各種名義変更に便利。作成し取得する場合は複数枚取得しておいた方がいい。発行は無料
遺産分割協議書 相続人全員で協議・署名捺印が必要。印鑑証明を添付。

 

税理士・福間より

書類収集のコツと注意点

①早めの着手が大切:相続税の申告期限は「相続開始(死亡)から10か月以内」です。

②郵送・代理取得も活用:本籍が遠方の場合は郵送請求が便利。

③税理士への依頼も検討:複雑な財産構成や申告が必要なケースでは、税理士に相談した方がスムーズです。