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「相続税」と「贈与税」の違いとは?

2025/7/9

相続税申告

知っておきたい「相続税」と「贈与税」の違いとは?仕組み・税率・節税方法までわかりやすく解説

相続税と贈与税は、いずれも財産を取得した際に関わる税金ですが、その発生時期や計算方法、適用される非課税枠や優遇措置には大きな違いがあります。

この記事では、福岡で相続や贈与を検討している方に向けて、両者の違いや注意点、節税対策のポイントまでをやさしく解説します。


相続税と贈与税の違いを比較【一覧表】

比較項目 相続税 贈与税
財産取得のタイミング 被相続人が亡くなったとき 生前に財産を譲り受けたとき
課税される人 相続人や遺言で財産を受け取る人 財産を受け取った側(受贈者)
非課税枠 3,000万円+600万円×法定相続人の数 年間110万円(暦年贈与の場合)
税率の仕組み 最大55%の累進課税 最大55%の累進課税
よく使われる特例 配偶者の軽減、小規模宅地等の評価減など 相続時精算課税、住宅資金贈与の非課税制度など
申告期限 相続発生から10か月以内 翌年3月15日まで

相続税とは?亡くなった方の財産を受け継ぐときの税金

相続税は、被相続人(亡くなった方)から不動産や現金、株式などの財産を相続した場合に課される税金です。
福岡市内でも、地価や不動産評価額によって相続税の申告が必要になるケースが増えています。

主なポイント

  • 法定相続人が2人なら最大4,200万円まで非課税

  • 配偶者は最大1億6,000万円まで無税で相続できる

  • 不動産の評価が下がる「小規模宅地等の特例」がある

  • 生前からの相続対策が効果的


贈与税とは?生きている間に財産を渡したときの税金

贈与税は、親族や第三者から金品・不動産などを無償でもらった場合にかかる税金です。納税義務は受け取った側にあります。

主なポイント

  • 年間110万円までなら非課税(暦年贈与)

  • まとまった金額には高い税率が適用される

  • 記録や贈与契約書などの証拠が重要

  • 相続税より不利になる場合もある


どっちが有利?相続と贈与の使い分け方

「結局どちらが得なのか?」は状況次第ですが、以下のような考え方が参考になります。

贈与が向いているケース

  • 子や孫に毎年コツコツと教育資金などを渡したい

  • 相続時の財産評価を減らしておきたい

相続が有利な場面

  • 配偶者が財産を受け取るとき(1億6,000万円まで非課税)

  • 特例制度を活用して節税できる場合


相続時精算課税制度とは?贈与税を抑える有効な手段

「相続時精算課税制度」は、60歳以上の親から18歳以上の子・孫への贈与が対象で、最大2,500万円まで贈与税がかかりません。
その代わり、その金額は将来の相続時に加算されて精算される仕組みです。

利用の注意点

  • 一度選択すると暦年課税には戻せない

  • 長期的な資産移転計画が必要


福岡で相続・贈与を検討する方へ|早めの準備で節税に差がつく

相続税と贈与税は、どちらも家族への財産移転に関わる重要な税制度です。制度の特徴や特例を正しく理解し、将来に備えることで、税負担を抑えることが可能です。


まとめ

  • 相続税は死亡時に課税され、非課税枠や特例が多い

  • 贈与税は生前の財産移転に課税され、毎年110万円まで非課税

  • 状況に応じて「相続時精算課税」などの制度を使い分けることが重要

税理士・福間より

大きな金額を贈与すると多額の贈与税がかかるので、必ず贈与税を計算してみてから実行するか判断しましょう。
生前贈与は相続対策として有効な面もありますが、住宅など高額資産の贈与には注意が必要です。
地価がある程度高い地域では、相続時に「小規模宅地等の特例」を活用する方が、結果的に節税になるケースが多く見られます。