家を同居している子に生前贈与する場合、相続税と贈与税の両面で注意すべき点がいくつかあります。以下に重要なポイントを整理します。
✅ 生前贈与の基本的な仕組み
生前贈与:生きている間に財産を無償で譲る行為
贈与税の対象:年間110万円を超える贈与には贈与税がかかる
🧾 注意点①:贈与税の課税対象となる
● 原則課税
家の評価額が110万円を超える場合、贈与税が発生
固定資産税評価額や路線価をもとに家の価額を算出し、贈与税額を計算する。
● 高額な贈与税のリスク
住宅は高額になりやすく、贈与税の税率は**10%〜55%**と高め
例えば:2,000万円の住宅を贈与 → 約600万円超の贈与税の可能性あり
🧾 注意点②:小規模宅地等の特例が使えなくなる可能性
● 相続時のメリットが消える可能性
同居している子が家を相続した場合、原則「小規模宅地等の特例」で土地評価額が最大80%減額される事が多い
しかし、生前贈与してしまうと、相続時にその特例が使えない
✅ 結果的に「贈与せずに相続させた方が有利」になることも多い
🧾 注意点③:相続開始前7年以内の贈与は相続税の対象に加算される
被相続人が亡くなる前の7年以内の贈与は、相続税の課税対象に加算されます。
せっかく贈与しても、結果的に相続税の計算に含まれます。
贈与税額控除により払った贈与税を相続税より控除出来ますが、
相続税の方が贈与税より少ないケースが多く、払いすぎた贈与税は還付されません。
🧾 注意点④:登記・名義変更にもコストと手続きがかかる
贈与によって子の名義にするには、不動産登記の変更が必要
登録免許税(固定資産税評価額の2%)や司法書士費用が発生
📌 結論:同居している子に家を生前贈与する場合の最適解はケースバイケース
方法
メリット デメリット
生前贈与 生前に意思を反映できる 贈与税が高額・特例が使えない
相続 小規模宅地等の特例が使える 事前に名義変更できない
実務アドバイス(税理士的観点)
贈与額が高額になるので贈与せず相続させた方が有利なケースが多いです。
又、相続で取得する事により小規模宅地等の特例を活かすことが節税の鍵となります。
贈与する場合でも相続時精算課税制度の活用を検討しましょう!
税理士・福間より
確実に相続させたい相手が決まっている場合は遺言を書く、どうしても生前に贈与したい場合でも相続時精算課税を選択し、相続時に相続税で精算する制度を選択した方が贈与税を払うより有利な場合が多いです。