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名義預金の判断基準

2025/7/15

相続税申告

名義預金とは、名義は他人(配偶者や子供など)になっているが、実質的には預金者本人の資金であり、本人が管理・運用している預金のことです。

特に相続税の調査で問題になりやすいため、注意が必要です。

以下に「名義預金かどうか」を判断する際のポイントをまとめました。


✅ 名義預金と判断される主なポイント

1. 資金の出所

  • 預金の原資が被相続人の収入・資産である
  • → 他人名義でも、原資が本人のものであれば名義預金とされる可能性が高いです。

2. 預金の管理状況

  • 通帳や印鑑が被相続人の手元に保管されていた
  • 預金の入出金を被相続人が行っていた
  • → 実質的な管理者が被相続人であると、名義預金と判断されやすいです。

3. 贈与の意思・事実

  • 名義人(例:子供など)に預金の存在を知らせていなかった
  • 贈与契約書がない
  • 毎年の贈与について「贈与税申告」をしていない
  • → 贈与の実態がないとみなされると、名義預金とされます。

4. 生活状況や年齢

  • 名義人が幼児や高齢で、預金の管理能力がない
  • → 実質的に使えない人名義の口座は、名義預金とみなされることが多いです。

5. 名義人の資金状況

  • 名義人に預金をするだけの収入や資産がない
  • → 収入がない人に大きな預金がある場合、資金の出所を疑われます。

❗ 名義預金とされないための対策

  • 贈与契約書を作成し、贈与の事実を明確にする
  • 贈与税の申告を適切に行う
  • 通帳・印鑑は名義人が保管・管理する
  • 名義人が自由に引き出せるようにしておく(生活費などに実際に使わせる)
  • 一度に多額を贈与せず、毎年110万円以内の暦年贈与を活用する場合も、証拠を残す

💡 相続時に問題になりやすいケース

  • 長年にわたり子供名義に積立していた学資保険や定期預金
  • 妻名義にしていたが、運用も管理も夫がしていた預金
  • 被相続人が死亡後、初めて名義人がその預金の存在を知った場合

税理士・福間より

毎年贈与をするものに、子供に渡すと使ってしまうからと親が通帳を管理している場合などが典型的な名義預金の例ですね。
贈与をする場合は割り切って渡して、大切に使うように、と親として子供に指導するくらいにしておきましょう。