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【自宅】福岡で小規模宅地等の特例を使う条件|330㎡まで80%減

2026/7/7

 

福岡で親御さまの実家や自宅を相続したとき、多くのご家庭で相続財産の大半を占めるのが「土地」です。福岡市の住宅地は地価の上昇が続いており、自宅の土地の評価額が相続税の基礎控除を超える要因になるケースもあります。そこで知っておきたいのが、自宅の土地の評価額を最大80%も下げられる「小規模宅地等の特例」です。

 

この記事では、自宅(特定居住用宅地等)に絞って、誰がどんな条件で使えるのか、福岡の地価でどれくらい効果があるのか、適用のために何が必要かを、相続税専門の税理士の視点でわかりやすく整理します。

 

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小規模宅地等の特例とは|自宅は330㎡まで評価額80%減

小規模宅地等の特例とは、亡くなった方(被相続人)が住んでいた自宅や、事業・賃貸に使っていた土地について、一定面積まで相続税の評価額を大きく減額できる制度です。残されたご家族が、相続税の負担で生活の基盤である自宅や事業を手放さずに済むよう設けられた、いわばセーフティーネットのような特例です。

 

代表的な対象区分は次のとおりで、それぞれ減額割合と限度面積が異なります。

  • 特定居住用宅地等(自宅)……330㎡まで評価額を80%減額
  • 特定事業用宅地等(お店・事業所など)……400㎡まで80%減額
  • 貸付事業用宅地等(賃貸物件・貸駐車場など)……200㎡まで50%減額

 

このうち本記事で扱う自宅は「特定居住用宅地等」に該当し、330㎡(約100坪)まで評価額が80%減額されます。たとえば評価額5,000万円の自宅の土地であれば、課税対象は1,000万円まで圧縮されるイメージです。減額の幅が非常に大きいため、福岡で自宅を相続する方にとっては相続税額を左右する最重要ポイントになります。

なお、賃貸物件など貸付用の土地の取り扱いは別記事「貸付事業用宅地等の特例」で詳しく解説しています。

 

 

特定居住用宅地等の要件|配偶者・同居親族・家なき子の3パターン

自宅の土地に80%減額を適用できるかどうかは、誰がその自宅を相続するかによって要件が変わります。取得する人に応じて、大きく次の3つのパターンがあります。

 

パターン1:配偶者が取得する場合(最も使いやすい)

亡くなった方の配偶者が、特定居住用宅地等に該当する自宅の宅地等を取得する場合、取得者側の居住継続・保有継続の要件はありません。同居していたかどうかは問われず、相続税の申告期限までその家に住み続ける必要も、所有し続ける必要もありません。申告期限前に売却したとしても80%減額を受けられます。3つのパターンの中で最も要件がゆるやかです。

 

ただし、令和2年4月以降の相続では「配偶者居住権」という制度も関わってくるため、誰が自宅を取得するのが家族全体で有利になるかは、二次相続まで見据えた検討が欠かせません。配偶者が取得すれば配偶者の税額軽減(1億6,000万円または法定相続分まで非課税)も使えますが、その分、次にその配偶者が亡くなったときの二次相続で税負担が重くなる可能性があります。二次相続を加味した遺産分割の考え方もあわせてご確認ください。

 

パターン2:同居していた親族が取得する場合

亡くなった方と同居していた親族(子どもなど)が自宅を取得する場合は、次の2つを満たす必要があります。

  • 相続開始の直前から、その自宅に被相続人と同居していたこと
  • 相続税の申告期限(相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内)まで、その自宅に住み続け、かつ所有し続けていること

 

配偶者と違い、申告期限まで「住み続ける」「持ち続ける」ことが条件になる点に注意が必要です。たとえば申告期限前に引っ越したり売却したりすると、特例が使えなくなります。「同居」といえるかどうかは住民票の有無だけでなく、実際に生活の本拠としていたかどうかで判断されます。二世帯住宅や、親が老人ホームへ入居していたケースなど、判断が難しい論点も多い部分です。

 

パターン3:別居していた親族が取得する場合(家なき子の特例)

亡くなった方に配偶者も同居の親族もおらず、賃貸住まいの別居の子どもなどが自宅を取得する場合に使えるのが、通称「家なき子の特例」です。一定の要件を満たせば、同居していなくても80%減額を適用できます。

 

ただし、この特例は租税回避の防止のため平成30年の税制改正で要件が厳格化され、持ち家がないことなど複数の条件を満たす必要があります。代表的な要件には、「相続開始前3年以内に、自己・配偶者・3親等内の親族・特別の関係がある法人が所有する家屋に住んでいないこと」「相続開始時に住んでいる家屋を過去に自分が所有していたことがないこと」「取得した宅地等を相続税の申告期限まで所有していること」などがあり、判定はかなり専門的です。家なき子の特例の詳しい要件と必要書類は、別記事「家なき子の特例」で詳しく解説しています。

 

 

福岡の自宅での減額効果の例|地価が高いほど効果は大きい

小規模宅地等の特例の効果は、土地の評価額が高いほど大きくなります。福岡市の住宅地は地価上昇が続いており、特例を使えるかどうかで相続税額が大きく変わります。

 

参考までに、国税庁が公表した令和7年分(2025年7月公表)の路線価では、福岡県の路線価は前年から大きく上昇し、福岡市の住宅地の路線価は平均でおおむね1㎡あたり19万円台とされています(出典:国税庁 財産評価基準書ほか各種公表資料、2025年時点)。実際の路線価は同じ福岡市内でも町丁・道路ごとに大きく異なるため、必ずご自宅が面する道路の最新の路線価でご確認ください。

 

モデルケース:福岡市の自宅(200㎡)を相続した場合

以下はあくまで考え方を示すためのモデルケースです。実際の評価額・税額はご自宅の所在地・形状・他の財産・相続人の数などによって変わります。

 

  • 自宅の土地:面積200㎡、路線価20万円/㎡と仮定
  • 特例を使わない場合の評価額:20万円 × 200㎡ = 4,000万円
  • 面積200㎡は限度面積330㎡以内なので全体に80%減額が適用
  • 特例適用後の評価額:4,000万円 × (1 − 0.8) = 800万円

 

このケースでは、自宅の土地の評価額が4,000万円から800万円へと、3,200万円も圧縮されます。相続税は財産の合計額から基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を差し引いた部分にかかるため、この圧縮によって相続税額そのものが0になることも十分にあり得ます。

 

一方で、土地が330㎡を超える場合は、超えた部分には80%減額が及びません。たとえば400㎡の土地なら、330㎡分までが減額対象で、残り70㎡分は通常評価のままです。福岡の郊外で広めの土地を相続するケースでは、この限度面積が効いてくる点に注意してください。

 

※上記の金額は計算方法を説明するためのモデルケースであり、実際の税額を示すものではありません。ご自宅の正確な評価額・税額は税理士による個別の試算が必要です。

 

 

適用に必要な手続き|税額が0でも相続税申告は必須

ここが最も誤解の多いポイントです。小規模宅地等の特例は、適用した結果、相続税が0円になる場合でも「相続税の申告」をしなければ適用を受けられません。「税金がかからないなら申告も不要」と考えて申告を行わないと、特例そのものが使えず、本来は0円だったはずの相続税が課税されてしまう、という事態が起こり得ます。

 

申告にあたっては、相続税申告書に「小規模宅地等についての課税価格の計算明細書」を添付し、誰がどの土地について特例を適用するかを記載します。あわせて、遺産分割協議書または遺言書の写し、相続人全員の印鑑証明書、戸籍謄本一式(または法定相続情報一覧図)などが必要です。家なき子の特例を使う場合は、賃貸借契約書など持ち家がないことを示す書類も追加で求められます。

 

また、特例の適用には原則として申告期限までに遺産分割が確定していることも必要です。誰が自宅を取得するかが決まっていなければ、その土地に特例を当てはめられないためです。相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内と短いため、早めに遺産分割の方針を固めることが大切です。

そもそも自分の場合に相続税の申告が必要なのかどうかを知りたい方は、「相続税申告が必要かの判定」もあわせてご覧ください。

 

 

小規模宅地等の特例が使えないケース

要件が厳格なため、次のようなケースでは特例が使えない、または一部しか使えないことがあります。事前に確認しておきましょう。

 

  • 申告をしなかった場合……前述のとおり、税額が0でも申告しなければ適用を受けられません。
  • 申告期限までに遺産分割が決まらない場合……誰が取得するか未確定だと適用できません(一定の手続きで期限を延長できる例外はあります)。
  • 同居親族が申告期限前に転居・売却した場合……同居親族のパターンでは、申告期限までの居住・所有の継続が要件です。
  • 別居の子が持ち家に住んでいる場合……家なき子の特例の持ち家要件を満たせず、適用できないことが多くなります。
  • 土地が限度面積を超える場合……330㎡を超える部分は減額の対象外です。
  • 住んでいない土地・別荘など……被相続人や生計を一にする親族の居住用でない土地は特定居住用宅地等になりません。

 

なお、亡くなる直前に老人ホームへ入居していて自宅が空き家になっていた場合でも、要介護認定を受けているなど一定の条件を満たせば「居住していた」ものとして特例の対象になることがあります。判断が分かれやすい論点なので、自己判断せず専門家に確認することをおすすめします。

 

 

福岡の自宅相続は、要件の確認を税理士に

小規模宅地等の特例は、福岡で自宅を相続する方にとって相続税額を大きく左右する制度です。一方で、誰が取得するか・同居の有無・持ち家の有無・申告期限までの継続要件など、判定はとても専門的で、要件を満たさない場合は80%減額を受けられないことがあります。さらに、適用には税額が0でも相続税申告が必須という点も見落とされがちです。

 

「我が家の自宅は特例を使えるのか」「誰が相続するのが家族全体で有利になるのか」といった点は、福岡の地価や個別のご事情をふまえて判断する必要があります。福岡の相続税の全体像とあわせて、判断に迷われたときは相続税を専門とする税理士にご相談ください。当事務所では、代表税理士が初回から申告まで一貫して直接対応し、明朗な料金でご案内しています。

 

ふくおか相続税相談室 ほっと!では、福岡の相続税申告を15万円から承っています。まずは無料でご相談いただけます。無料相談フォームお問い合わせフォーム・お電話(0120-975-218)から、お気軽にどうぞ。

 

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※【出典】国税庁「No.4124 相続した事業の用や居住の用の宅地等の価額の特例(小規模宅地等の特例)」、国税庁 財産評価基準書(路線価図)ほか。路線価・地価に関する数値は2025年(令和7年)時点の公表資料に基づきます。税制改正等により内容が変わる場合があるため、適用にあたっては最新の情報および税理士の確認をお願いいたします。

 

※本記事は2026年6月時点の情報をもとに、一般的な内容を分かりやすくまとめたものです。制度の数値・要件・期限は改正により変わる場合があり、記載の税額・評価額はモデルケース(概算)です。実際のお取り扱いは、最新の一次情報のご確認と、税理士への個別相談をおすすめします。

 

 

福間 武士
本記事は税理士監修のもと作成しています。
監修・執筆:税理士 福間 武士
福間税理士事務所ふくおか相続税相談室 ほっと!代表。
1977年10月5日生 福岡市出身
・保有資格:税理士行政書士