Scroll Down

二次相続まで考えた福岡の自宅相続|配偶者控除の使い方で総額が変わる

2026/7/12

 

「配偶者が相続すれば相続税はかからない」——そう聞いて、お父さま(またはお母さま)の遺産をすべて残された配偶者に相続させようと考えていませんか。確かに一次相続の税額は抑えられます。ですが、その配偶者が次に亡くなったときの二次相続では、税負担が一気に重くなることがあります。

 

この記事では、福岡で自宅をお持ちのご家庭を前提に、一次相続で配偶者にどれだけ財産を寄せるかによって「一次+二次」の合計税額がどう変わるのかを、モデルケースで解説します。読み終えるころには、「配偶者控除を最大限使う=得」とは限らない理由と、自宅の評価額に応じた配分の考え方がつかめるはずです。なお具体的な税額・評価額はすべて概算であり、最終的な判断は税理士にご相談ください。

 

福岡の相続税のことなら、
おまかせください!
ふくおか相続税相談室 ほっと!
では、
福岡の相続税申告を
15万円から承っています。
まずは無料でご相談いただけます。
無料相談フォーム・お問い合わせフォーム・お電話から、お気軽にどうぞ。
無料相談のアイコン
consultation FORM

フォームへ

フォームのアイコン
Contact Form

フォームへ

電話のアイコン
Telephone

 

 

一次相続と二次相続の違い

まず言葉の整理です。ご夫婦のどちらか一方が亡くなる最初の相続を一次相続、その後に残された配偶者が亡くなる相続を二次相続といいます。たとえば「父→母」の順で亡くなった場合、父の相続が一次相続、母の相続が二次相続です。

同じ財産でも、一次相続と二次相続では税負担が変わります。理由は次の3つです。

 

  • 配偶者の税額軽減が使えない:二次相続では配偶者がすでにいないため、後述の大きな非課税枠が使えません。
  • 法定相続人が1人減る:相続人が減ると基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)も600万円分小さくなります。生命保険金・死亡退職金の非課税枠(500万円×法定相続人の数)も縮みます。
  • 配偶者自身の財産も加わる:一次相続で配偶者が取得した財産に、配偶者がもともと持っていた財産(固有財産)が合算され、課税対象が大きくなりがちです。

 

相続税は財産が大きいほど税率が上がる累進構造です。そのため、一次相続で配偶者に財産を集めすぎると、二次相続で高い税率区分に入りやすくなります。相続税の計算の基本は既存記事「相続税の計算方法」でも解説しています。

 

 

配偶者の税額軽減の「落とし穴」

配偶者の税額軽減(配偶者控除)とは、配偶者が実際に取得した遺産のうち1億6,000万円まで、または法定相続分までのどちらか多い金額については相続税がかからないという制度です(相続税法第19条の2、国税庁No.4158)。多くのご家庭では、配偶者が相続する分の相続税が実質ゼロになる、非常に大きな軽減です。配偶者が財産を取得した場合の課税の考え方は、既存記事「配偶者が相続財産を取得した場合に相続税がかかるのか」もあわせてご覧ください。

 

注意したいのは、これが一次相続だけを見ればお得な制度だという点です。一次相続で配偶者に多く寄せれば、その時点の税額は下がります。しかし、配偶者に集まった財産は二次相続でまとめて子へと移り、そこでは軽減が使えません。払うはずだった税が二次相続に先送りされ、しかも割高になって戻ってくるイメージです。

どれくらい違うのか、福岡のご家庭でよくある「自宅+預貯金」のケースを概算で見てみます。

 

モデルケース:遺産1億円/妻・子2人の場合(概算)

父が亡くなり、相続人は妻・子2人の合計3人。遺産は自宅と預貯金で1億円とします。一次相続の相続税の総額は、基礎控除4,800万円(3,000万円+600万円×3人)を差し引いて計算すると、概算で約630万円です。この総額をどう負担するかが、配分によって次のように変わります。

 

一次相続の配分 一次相続の税額 二次相続の税額 一次+二次の合計
妻が100%取得 0円(配偶者の税額軽減) 約770万円 約770万円
妻が50%・子が50%取得 約315万円 約80万円 約395万円

 

※ 妻の固有財産はなし、小規模宅地等の特例・生命保険の非課税枠などは加味しない概算です。二次相続は一次相続の直後に発生したと仮定しています。実際は財産の構成・取得割合・各種特例で結果が変わります。

一次相続だけを見れば「妻が100%取得」の方が税額0円で有利に見えます。しかし二次相続まで合計すると、妻が50%にとどめた方が約375万円軽くなりました。これが配偶者の税額軽減の落とし穴です。さらに妻がもともと財産を持っている場合は、二次相続の差はもっと広がります。

 

 

福岡の自宅評価別に考える「配分の最適解」

では、福岡で自宅を相続するとき、配偶者にどこまで寄せるべきか。結論から言うと、自宅の評価額(=遺産総額の大きさ)によって最適な配分は変わります。福岡市内でも地価には大きな差があるためです。

国税庁の路線価(令和7年分・住宅地)を参考にすると、福岡市の住宅地はおおむね1㎡あたり20万円台が平均的ですが、中央区など都心部の住宅地は40万円台に達するエリアもあります。福岡の地価は近年上昇が続いており、参照する年によって評価額が変わる点にもご注意ください。

 

都心の自宅(評価が高い)の場合

たとえば中央区などで土地100㎡の自宅をお持ちだと、路線価ベースの評価額は概算で4,000万円台になることもあります。預貯金などを合わせると遺産総額が課税ラインを大きく超えやすく、配分の差がそのまま税額の差として表れます。前述のモデルケースのように、二次相続まで見据えた配分が効いてくるのは、まさにこのタイプです。配偶者に寄せすぎず、子にも一定割合を相続させる選択が有効になりやすい領域です。

 

郊外の自宅(評価が低い)の場合

一方、福岡市郊外や周辺市(春日市・大野城市など)で評価が抑えめの自宅であれば、遺産総額が基礎控除(相続人3人なら4,800万円)の範囲に収まり、そもそも相続税がかからないこともあります。この場合は配分に頭を悩ませる必要は小さくなります。ただし、配偶者の固有財産が多い・預貯金が厚いといったご家庭では、評価が低い自宅でも二次相続で課税が生じることがあるため、油断は禁物です。

 

このように、「うちはどちらのタイプか」を見極めることが、配分を考える出発点になります。福岡全体の相続税の全体像は「福岡の相続税ガイド」で、配分そのものの考え方は既存記事「2次相続を加味した遺産分割とは?」でも解説しています。

 

 

小規模宅地等の特例との組み合わせ

自宅の相続では、小規模宅地等の特例(特定居住用宅地等)もあわせて考える必要があります。これは自宅の土地について、330㎡までの部分の評価額を最大80%減額できる制度です。福岡の都心のように地価が高いほど、減額の効果は大きくなります。

 

ポイントは、誰がこの特例を使えるかです。

  • 配偶者が自宅を相続する場合:同居の有無を問わず、無条件で小規模宅地等の特例を使えます。配偶者の税額軽減とも重なり、一次相続では自宅に税負担が出にくくなります。
  • 同居の子が自宅を相続する場合:申告期限まで住み続け、その宅地を保有していることなどの要件を満たせば、子でも特例を使えます。

 

ここで配分の発想が効いてきます。最終的に自宅を引き継ぐのが「同居している子」であれば、二次相続の時点でその子も小規模宅地等の特例を使える可能性があります。そこを見据えて、一次相続で自宅を配偶者と子のどちらに持たせるか、預貯金とどう組み合わせるかを設計します。自宅と特例の要件は「福岡の自宅相続で小規模宅地等の特例を活用する条件」で詳しく解説しています。

 

なお、自宅は同居の子が住み続けつつ、配偶者の住む権利を確保する「配偶者居住権」を活用する選択肢もあります。ただし要件や評価が複雑なため、適用は税理士にご相談ください。行き過ぎた節税は税務署に否認されるリスクもあり、特例ありきの分割は禁物です。

 

 

二次相続を「早めに」考えるべき理由

二次相続対策の多くは、一次相続の遺産分割を決める段階でしか打てません。一度「配偶者がすべて相続する」と分割協議をまとめてしまうと、後から配分を変えるのは容易ではないからです。だからこそ、一次相続のときに二次相続まで含めたシミュレーションをしておくことが大切です。

 

あわせて、一次相続のうちから次のような準備も有効です。

  • 配偶者が相続する財産を抑え、子へ一定割合を分けておく
  • 生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)を使い、納税資金を準備しておく(詳しくは「相続対策としての生命保険の活用法」をご覧ください)
  • 計画的な生前贈与で、二次相続時の財産を少しずつ圧縮しておく(相続開始前の贈与には持ち戻しの対象となるものもあるため、計画的に行うことが大切です。 )

 

どの方法がご家庭に合うかは、自宅の評価額・配偶者の固有財産・お子さまの人数や同居状況によって変わります。「正しく知れば、対処できる」のが相続税です。不安をひとりで抱えず、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

 

 

まとめ

  • 一次相続で配偶者に寄せると、その時の税額は下がるが、二次相続で割高になり「一次+二次」の合計はかえって増えることがある。
  • 二次相続が重くなるのは、配偶者の税額軽減が使えず、基礎控除が減り、配偶者の固有財産も加わって累進税率が上がるため。
  • 福岡では自宅の評価額が都心と郊外で大きく異なる。評価が高い都心は配分最適化の効果が大きく、評価が低い郊外は非課税圏に収まることもある。
  • 小規模宅地等の特例は配偶者なら無条件、同居の子なら要件を満たせば適用可。最終的に誰が自宅を引き継ぐかを見据えて配分を考える。
  • 配分は一次相続の分割協議でしか決められない。二次相続まで含めたシミュレーションを早めに行うことが最大の対策。

 

 

福岡の二次相続・自宅の配分は「ほっと!」へご相談ください

「うちの自宅評価ならどう分けるのが有利か」「二次相続まで含めるといくら変わるのか」——こうした配分のシミュレーションは、ご家庭ごとの事情を踏まえて行う必要があります。ふくおか相続税相談室「ほっと!」では、福岡の地価事情に詳しい代表税理士が、一次・二次を通した最適な分け方をご提案します。

 

ふくおか相続税相談室 ほっと!では、福岡の相続税申告を15万円から承っています。まずは無料でご相談いただけます。無料相談フォームお問い合わせフォーム・お電話(0120-975-218)から、お気軽にどうぞ。

 

福岡の相続税のことなら、
おまかせください!
ふくおか相続税相談室 ほっと!
では、
福岡の相続税申告を
15万円から承っています。
まずは無料でご相談いただけます。
無料相談フォーム・お問い合わせフォーム・お電話から、お気軽にどうぞ。
無料相談のアイコン
consultation FORM

フォームへ

フォームのアイコン
Contact Form

フォームへ

電話のアイコン
Telephone

 

 

※本記事は2026年6月時点の情報をもとに、一般的な内容を分かりやすくまとめたものです。制度の数値・要件・期限は改正により変わる場合があり、記載の税額・評価額はモデルケース(概算)です。実際のお取り扱いは、最新の一次情報のご確認と、税理士への個別相談をおすすめします。

 

 

福間 武士
本記事は税理士監修のもと作成しています。
監修・執筆:税理士 福間 武士
福間税理士事務所ふくおか相続税相談室 ほっと!代表。
1977年10月5日生 福岡市出身
・保有資格:税理士行政書士