Scroll Down

福岡の非上場株式(自社株)の相続税評価|高くなる理由と下げ方

2026/7/20

 

福岡で会社を経営されている方や、会社経営者だったご家族から自社株を相続された方から、「会社の株なんて売れないのに、相続税では高く評価されると聞いて不安」というご相談をよくいただきます。上場していない会社の株式は市場価格がないため、国が定めたルールで評価額を計算します。そして、業績が良く財産をしっかり蓄えてきた会社ほど、評価額が思いのほか高くなりやすいのが実情です。

 

この記事では、自社株(非上場株式)がどのように相続財産になり、どんな方法で評価されるのか、なぜ高くなりやすいのか、そして評価を下げる主な考え方の概要までを、福岡の中小企業の例を交えて解説します。評価そのものは専門性が高い分野ですので、ここでは全体像をつかんでいただくことを目的とし、実際の金額の判断は税理士へご相談ください。

 

福岡の相続税のことなら、
おまかせください!
ふくおか相続税相談室 ほっと!
では、
福岡の相続税申告を
15万円から承っています。
まずは無料でご相談いただけます。
無料相談フォーム・お問い合わせフォーム・お電話から、お気軽にどうぞ。
無料相談のアイコン
consultation FORM

フォームへ

フォームのアイコン
Contact Form

フォームへ

電話のアイコン
Telephone

 

 

自社株が相続財産になるしくみ

非上場株式とは、証券取引所に上場していない会社の株式のことです。相続税の世界では「取引相場のない株式」と呼ばれます。上場株式のように日々の市場価格が存在しないため、亡くなった日(課税時期)の価値を国税庁の財産評価基本通達というルールにもとづいて算定する必要があります(参照:国税庁 No.4638、2026年6月時点)。

 

福岡市内や近郊の中小企業の多くは、社長やそのご家族が株式の大半を持つ「同族会社」です。こうした会社のオーナーが亡くなると、その方が持っていた株式が相続財産に含まれます。預貯金や不動産と同じように、自社株にも相続税がかかるということです。

 

難しいのは、自社株は簡単には売れない財産だという点です。現金化しづらいにもかかわらず、評価額が高いと相続税の負担だけが重くのしかかります。後継者が納税資金に困るケースは、福岡の中小企業でも少なくありません。

 

 

自社株の評価方法の概要

取引相場のない株式の評価は、大きく「原則的評価方式」と「配当還元方式」に分かれます。どちらを使うかは、株式を相続する人が会社にとってどんな立場かによって決まります。

 

まず「誰が相続するか」で分かれる

会社を支配している同族株主(経営者本人やその後継者など)が相続する場合は、原則的評価方式という本格的な計算を行います。一方、経営に関与しない少数株主などが相続する場合は、配当をもとに簡易に計算する配当還元方式が使えることがあります。配当還元方式のほうが評価額は低くなる傾向があります。

福岡で会社を引き継ぐ後継者の多くは前者にあたるため、以下では原則的評価方式を中心に説明します。

 

会社の規模で3つの方式に分かれる

原則的評価方式では、会社の規模(従業員数・総資産・売上高など)に応じて「大会社・中会社・小会社」に区分し、次のように評価方法が変わります。

 

会社規模 原則的な評価方式 考え方
大会社 類似業種比準方式 上場会社との均衡を図る
中会社 併用方式(類似業種比準+純資産価額) 大会社と小会社の中間
小会社 純資産価額方式 個人事業者の財産評価との均衡を図る

 

福岡の中小企業の多くは中会社・小会社に区分されることが多く、純資産価額方式の影響を強く受けやすい傾向があります(参照:国税庁 財産評価基本通達、2026年6月時点)。

 

類似業種比準方式とは

類似業種比準方式は、評価する会社と事業内容が似た上場会社の株価を参考に、自社の「1株当たりの配当金額」「利益金額」「純資産価額(帳簿価額)」の3つを比べて評価する方法です。最後に会社規模に応じた斟酌率(しんしゃくりつ)を掛けて調整します。斟酌率は大会社0.7、中会社0.6、小会社0.5とされています(財産評価基本通達180)。

この方式は、利益や配当が大きいほど評価が上がりやすいという特徴があります。業績の良い会社ほど株価が高く出やすい、と覚えておくとよいでしょう。

 

純資産価額方式とは

純資産価額方式は、会社が持つ資産と負債を相続税の評価に置き換え、その差額(純資産)をもとに1株の価値を計算する方法です。土地などの含み益がある場合は、その含み益に対する法人税額等相当額(37%)を差し引いたうえで評価します。

 

つまり、会社が含み益のある不動産や多額の内部留保を抱えていると、純資産価額が大きくなり、評価額が高くなりやすいということです。

なお、これらの評価のしくみについては、2026年4月から国税庁の有識者会議で見直しの検討が始まっています。今後ルールが変わる可能性があるため、実際に評価する際は最新の取扱いを必ずご確認ください。

 

 

評価が高くなりやすいケース

「うちは現金が少ないのに、なぜ株の評価が高いのか」と驚かれる方は多いです。自社株の評価が高くなりやすいのは、主に次のようなケースです。

 

  • 利益を内部にためてきた会社…配当をあまり出さず利益を積み上げてきた会社は、純資産が厚くなり評価が上がりやすくなります。
  • 含み益のある不動産を持つ会社…昔から保有する社屋や土地の時価が、購入時より大きく値上がりしている場合です。
  • 高収益の会社…利益が大きいと、類似業種比準方式でも評価が高く出やすくなります。
  • 役員報酬を抑え、利益を残してきた会社…堅実な経営ほど純資産が増え、結果的に株価も上がります。

 

福岡では、天神・博多エリアの地価が長く上昇基調にあり、古くから本社や店舗の土地を持つ会社では含み益が大きくふくらんでいることがあります。アイランドシティや郊外に自社で物件を保有する会社も同様です。堅実に会社を育ててきた方ほど、自社株の評価が高くなりやすいという点は、あらかじめ知っておきたいところです。

 

たとえば、福岡市内で長く事業を営む小会社のオーナーが、含み益のある本社土地と厚い内部留保を残して亡くなった場合、純資産価額方式での評価額が数千万円から、場合によっては億単位になることもあります(あくまでモデルケースであり、概算です。実際の金額は会社ごとに大きく異なります)。

 

 

自社株の評価を下げる主な方法

自社株の評価額は、計画的な対策によって引き下げられる場合があります。ここでは代表的な考え方の概要だけをご紹介します。いずれも会社の状況によって効果や可否が変わり、進め方を誤ると税務署に否認されるリスクもあるため、必ず専門家と相談しながら進めてください。

 

  • 役員退職金の支給…退職金を支払うと利益と純資産が減り、評価が下がる方向に働くことがあります。
  • 配当・利益水準の見直し…類似業種比準方式の比準要素を下げることで、評価に影響することがあります。
  • 資産構成の見直し…含み益の状況を踏まえ、会社の資産の持ち方を中長期で見直す方法です。
  • 後継者への計画的な生前贈与…評価が低いタイミングで少しずつ株式を移す考え方です。

 

注意したいのは、行き過ぎた節税は「不当な税負担の回避」として否認されるおそれがある点です。「必ず得をする」という前提で安易に取り組むのは禁物です。事実関係にもとづき、無理のない範囲で計画的に進めることが大切です。

 

また、評価を下げる対策とあわせて検討したいのが、納税そのものを猶予できる事業承継税制(特例措置)です。一定の要件を満たすと、後継者が引き継いだ自社株にかかる相続税・贈与税の納税を猶予できる制度です。提出期限などの要件が改正で動いているため、活用を考える際は早めの確認が欠かせません。くわしくは福岡の中小企業の事業承継税制(特例措置)|自社株の納税猶予と期限をご覧ください。

 

対策が間に合わず、評価額が高いまま相続税の負担が重くなってしまうこともあります。納税資金が足りない場合の延納・物納・資金づくりの選択肢については、福岡で相続税が払えないとき|延納・物納・売却・納税資金の作り方で解説しています。

 

 

福岡の中小企業オーナーへ

自社株の評価は、相続税の中でも特に専門性が高く、判断を誤ると税負担が大きく変わる分野です。最後に要点を振り返ります。

 

  • 非上場株式(取引相場のない株式)は、国税庁のルールで評価額を計算する必要があります。
  • 評価は会社規模に応じて、類似業種比準方式・純資産価額方式・併用方式に分かれます。
  • 利益や内部留保が厚い会社、含み益のある不動産を持つ会社は、評価が高くなりやすい傾向があります。
  • 評価を下げる方法はありますが、否認リスクもあるため、専門家と計画的に進めることが大切です。
  • 事業承継税制の活用や、納税資金の準備も早めに検討しましょう。

福岡で長く会社を育ててこられた方ほど、自社株の評価が高くなりやすく、後継者の負担が思わぬ形で大きくなることがあります。相続税の全体像は福岡の相続税ガイドでも解説していますので、あわせてご覧ください。

自社株の評価や事業承継は、会社ごとに事情が大きく異なります。当事務所では、代表税理士がご相談から申告まで直接対応し、福岡の中小企業の実情に即してご提案します。

 

ふくおか相続税相談室 ほっと!では、福岡の相続税申告を15万円から承っています。まずは無料でご相談いただけます。無料相談フォームお問い合わせフォーム・お電話(0120-975-218)から、お気軽にどうぞ。

 

福岡の相続税のことなら、
おまかせください!
ふくおか相続税相談室 ほっと!
では、
福岡の相続税申告を
15万円から承っています。
まずは無料でご相談いただけます。
無料相談フォーム・お問い合わせフォーム・お電話から、お気軽にどうぞ。
無料相談のアイコン
consultation FORM

フォームへ

フォームのアイコン
Contact Form

フォームへ

電話のアイコン
Telephone

 

 

※本記事は2026年6月時点の情報をもとに、一般的な内容を分かりやすくまとめたものです。制度の数値・要件・期限は改正により変わる場合があり、記載の税額・評価額はモデルケース(概算)です。実際のお取り扱いは、最新の一次情報のご確認と、税理士への個別相談をおすすめします。

 

 

福間 武士
本記事は税理士監修のもと作成しています。
監修・執筆:税理士 福間 武士
福間税理士事務所ふくおか相続税相談室 ほっと!代表。
1977年10月5日生 福岡市出身
・保有資格:税理士行政書士