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福岡の相続登記の義務化(2024年4月〜)と相続税申告の関係

2026/7/19

 

福岡で親の家や土地を相続したとき、「相続税の申告」と「相続登記(名義変更)」は、別々の手続きとして両方が必要になることがあります。2024年(令和6年)4月からは相続登記が義務になり、放っておくと過料(行政上のペナルティ)の対象になる場合があります。

 

この記事では、相続登記の義務化の概要と、相続税申告との「期限・窓口・担当の専門家」の違いを整理します。さらに、両方をうまく進める段取りや、間に合わないときの「相続人申告登記」、そして福岡での相談先まで、福岡の相続にくわしい税理士の視点でご案内します。なお登記そのものの代理は司法書士の業務ですので、本記事は全体像の整理を中心にしています。

 

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相続登記の義務化とは(2024年4月〜・3年以内・過料10万円以下)

相続登記とは、亡くなった方(被相続人)名義の不動産を、相続した人の名義に変更する手続きです。正式には「相続による所有権移転登記」といいます。これまでは任意でしたが、2024年4月1日施行の不動産登記法の改正で義務化されました。

 

原則として、相続(遺言を含む)で不動産を取得したことを知った日から3年以内に、相続登記の申請をする必要があります(不動産登記法第76条の2、2026年6月時点)。正当な理由がないのにこれを怠ると、10万円以下の過料の対象となる場合があります(同法第164条)。過料は行政上のペナルティで刑事罰ではなく、いわゆる前科はつきません。

 

ただし、期限を過ぎた瞬間に自動で請求されるわけではありません。一般には、登記官が義務違反を把握した場合にまず「催告」を行い、それでも正当な理由なく申請されないときに、管轄の地方裁判所へ通知し、裁判所が過料の有無や金額を判断する、という流れとされています。相続人が極めて多い、遺産分割でもめている、重病である、といった事情は「正当な理由」として考慮される場合があります。

 

注意:2024年3月以前の「古い相続」も対象です

見落としやすいのが、義務化より前に発生した相続も対象になる点です。施行日前に亡くなった親名義のままの不動産も、2027年(令和9年)3月31日までか、「取得を知った日から3年以内」のいずれか遅い日までに登記が必要とされています。福岡でも、何十年も名義をそのままにしている実家・農地は少なくありません。2024年4月の施行から2年が過ぎ、この経過措置の期限が近づいています。心当たりがあれば、早めの確認をおすすめします。

 

 

相続税申告との違い(期限・窓口・担当する専門家)

「相続登記」と「相続税申告」は名前が似ていますが、まったく別の手続きです。混同すると、片方を忘れてしまいがちです。福岡で両方に関わるケースも多いので、次の表で違いを整理します。

 

項目 相続登記 相続税の申告
目的 不動産の名義を相続人に変更する 相続税を計算して申告・納税する
期限 取得を知った日から3年以内 亡くなったことを知った日の翌日から10か月以内
窓口 不動産の所在地を管轄する法務局 被相続人の住所地を管轄する税務署(福岡国税局管内)
担当する専門家 司法書士 税理士
対象になる人 不動産を相続した人(遺産額は問わない) 遺産が基礎控除を超えるなど課税対象になる人

 

大きな違いは2つあります。1つは期限です。相続税申告の10か月に対し、相続登記は3年と長めですが、別物として両方の期限を管理する必要があります。相続税申告の段取りは「福岡で相続税の申告期限(10か月)に間に合わせる段取り」でくわしく解説しています。

 

もう1つは対象になる人です。相続登記は遺産の金額に関係なく、不動産を相続したすべての人に関わります。一方、相続税の申告は、遺産が基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える場合などに必要になります。ご自身に申告が必要かどうかは「相続税の申告が必要か一発判定(基礎控除の落とし穴)」をご覧ください。

 

 

福岡で両方を進めるときの段取り

相続税の申告も登記も、入口は同じ「だれが何を相続するか」を決めることです。福岡で不動産を含む相続が発生したときの一般的な流れは、次のとおりです。

 

  1. 遺言の有無を確認し、相続人を確定する(戸籍の収集)
  2. 不動産・預貯金などの財産を洗い出し、評価する
  3. 遺産分割協議で「だれがどの不動産を取得するか」を決める
  4. 相続税の申告が必要なら、10か月以内に税務署へ申告・納税する
  5. 取得が決まった不動産について、3年以内に法務局へ相続登記を申請する

 

ポイントは、「だれが不動産を取得するか」が決まらないと、登記も相続税の特例(小規模宅地等の特例など)の適用も固まらないことです。とくに相続税の申告期限は10か月と短いため、申告を先に意識して動き、登記もその流れの中で進めると無駄がありません。遺産分割と登記の順序については、既存記事「相続税の申告と、不動産登記の順序について」も参考になります。

 

なお、相続登記には登録免許税(原則として固定資産税評価額の0.4%)がかかります。具体的な税額や免税措置の可否は、司法書士・法務局でご確認ください。

 

 

3年以内に分割が決まらないとき:相続人申告登記

「遺産分割の話し合いが3年以内にまとまりそうにない」というケースもあります。そのために設けられたのが相続人申告登記という制度です。

これは、「私はこの不動産の相続人の一人です」と法務局に申し出るだけの簡易な手続きです。3年以内に申し出れば、ひとまず相続登記の申請義務を果たしたものとみなされ、過料を避けられます。相続人が複数いても、特定の人が単独で申し出ることができます。

 

ただし、これはあくまで暫定的な措置です。「だれが不動産を取得したか」を確定させる登記ではないため、この申出だけでは不動産を売却したり担保に入れたりすることはできません。最終的に遺産分割が成立したら、その日から3年以内に、改めて正式な相続登記が必要になります。

 

 

福岡での相談先(司法書士・税理士の役割分担)

相続登記と相続税申告は、担当する専門家が分かれています。役割を整理しておくと、相談先で迷いません。

 

  • 相続登記(名義変更)…司法書士:登記申請の代理は司法書士の業務です。書類の収集・作成から法務局への申請まで任せられます。
  • 相続税の申告・納税…税理士:財産の評価、特例の適用、申告書の作成・提出をサポートします。

 

登記の申請先は、不動産の所在地を管轄する法務局です。福岡では、福岡市の博多区・中央区・南区・東区や那珂川市は福岡法務局(本局・福岡市中央区舞鶴)、早良区・城南区・西区・糸島市は西新出張所、宗像市・古賀市・福津市などは福間出張所、久留米市・小郡市などは久留米支局、というように地域ごとに窓口が分かれています(2026年6月時点。管轄は福岡法務局の公式サイトでご確認ください)。

 

当事務所は相続税の申告を専門とする税理士事務所です。相続税の申告を進める中で、相続登記が必要な場合は、提携する司法書士をご紹介し、税理士と司法書士が連携して手続き全体がスムーズに進むようサポートします。「税金は税理士、登記は司法書士」で別々に探す手間を減らせます。

あわせて、2026年4月1日から、登記簿上の所有者の住所・氏名・名称に変更があった場合の変更登記も義務化されています。不動産を所有している方が引っ越しや氏名変更などをした場合の登記についても、必要に応じて司法書士にご確認ください。

 

福岡の相続税の全体像は「福岡の相続税ガイド」でまとめて解説しています。

 

 

まとめ

  • 相続登記は2024年4月から義務化され、原則「取得を知った日から3年以内」の申請が必要です。怠ると10万円以下の過料の対象になる場合があります。
  • 義務化前の古い相続も対象で、経過措置の期限(2027年3月31日まで)が近づいています。
  • 相続税申告は「10か月以内・税務署・税理士」、相続登記は「3年以内・法務局・司法書士」と、期限も窓口も担当も異なります。
  • 3年以内に分割がまとまらないときは、暫定的に「相続人申告登記」で義務を果たせます(後日、正式な登記が必要)。
  • 福岡では、税理士と司法書士が連携すれば、申告と登記をまとめて段取りできます。

 

制度の数値・要件・期限は改正で変わることがあります。本記事は2026年6月時点で一次情報(法務省・法務局など)を確認して作成していますが、実際の手続きの際は最新情報と個別事情を専門家にご確認ください。

福岡で不動産を含む相続が発生し、「相続税の申告と登記、何から手をつければいい?」とお悩みの方は、まずは無料でご相談いただけます。相続税の申告を中心に、登記が必要な場合は提携司法書士と連携してサポートします。

 

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※本記事は2026年6月時点の情報をもとに、一般的な内容を分かりやすくまとめたものです。制度の数値・要件・期限は改正により変わる場合があり、記載の税額・評価額はモデルケース(概算)です。実際のお取り扱いは、最新の一次情報のご確認と、税理士への個別相談をおすすめします。

 

 

福間 武士
本記事は税理士監修のもと作成しています。
監修・執筆:税理士 福間 武士
福間税理士事務所ふくおか相続税相談室 ほっと!代表。
1977年10月5日生 福岡市出身
・保有資格:税理士行政書士