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福岡市の路線価で相続税評価額を調べる方法|天神・博多の地価も解説

2026/7/8

 

福岡で土地を相続したとき、多くの方が最初に直面するのが「この土地はいくらと評価されるのか」という疑問です。相続税の土地評価では、市街地など路線価が定められている地域は、国税庁が定める路線価をもとに計算します。


一方、路線価が定められていない地域では、固定資産税評価額に倍率を掛ける「倍率方式」で評価します。

 

この記事では、国税庁の路線価図で福岡市の路線価を調べる手順、路線価方式と倍率方式の違い、天神・博多など都心部と郊外の差、そして評価が割高・割安になりやすい土地の特徴を、税金の知識がない方にもわかるように解説します。福岡の相続税の全体像は福岡の相続税ガイドでまとめていますので、あわせてご覧ください。

 

なお、路線価から実際の評価額を確定するには専門的な補正が必要です。本記事の数値はあくまで考え方を示すモデルケースであり、最終的な評価額は税理士にご確認ください。

 

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路線価方式と倍率方式はどうやって調べる?

自分の土地が路線価方式と倍率方式のどちらで評価するのかは、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」で確認できます。
国税庁「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」

 

まず、国税庁の「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」から都道府県・市区町村を選択し、「評価倍率表」を開きます。「一般の土地等」の欄を確認すると、評価方法が分かります。

 

  • 「路線」と表示されている場合は、その土地は路線価方式です。国税庁の路線価図で、土地が接する道路の路線価を確認して評価します。
  • 「1.1」「1.3」「1.6」などの倍率が表示されている場合は、その土地は倍率方式です。固定資産税評価額に、その倍率を掛けて相続税評価額を計算します。

 

つまり、評価倍率表に「路線」と書かれていれば路線価方式、「1.6」などの倍率が書かれていれば倍率方式と覚えておくと分かりやすいでしょう。

 

 

路線価とは|相続税の土地評価の基準になる価格

路線価とは、道路(路線)に面する標準的な土地の1平方メートルあたりの価格のことです。相続税や贈与税の計算で土地を評価するために、国税庁が毎年定めて公開しています。

 

正式には「相続税路線価」と呼ばれ、固定資産税の計算に使う「固定資産税路線価」とは別ものです。本記事で路線価という場合は、相続税の計算に使う相続税路線価を指します。

 

路線価の3つの特徴

  • 毎年7月ごろに公開されますたとえば令和7年分(2025年分)の路線価は、2025年7月1日に公開されました(出典:国税庁「令和7年分の路線価等について」)。
  • その年の1月1日時点の価格を評価時点としています。いつ亡くなったか(相続が発生したか)によって、適用する年分の路線価が変わります。
  • 地価公示価格などのおおむね8割程度を目安に定められています。実際の売買価格(実勢価格)よりも低めに設定されているのが一般的です。

 

そのため、相続した土地が「いくらで売れるか」と「相続税でいくらと評価されるか」は別の話になります。相続税の計算では、まず路線価を確認することが出発点です。

 

 

福岡市の路線価図の見方と手順

福岡市の路線価は、国税庁のホームページ「財産評価基準書 路線価図・評価倍率表」から誰でも無料で調べられます。スマートフォンでも確認できます。手順は次のとおりです。

 

  1. 検索エンジンで「国税庁 路線価図」と検索し、国税庁の「財産評価基準書」のページ(rosenka.nta.go.jp)を開きます。
  2. 調べたい年分を選びます。相続税の計算では、亡くなった年の路線価を使います。たとえば2025年に相続が発生した場合は令和7年分を選びます。
  3. 都道府県の地図から「福岡県」を選びます。
  4. 「路線価図」を選び、市区町村の一覧から該当する区(たとえば「福岡市中央区」「福岡市博多区」など)を選びます。
  5. 町名(町丁名索引)から土地の住所を選ぶと、その地域の路線価図が表示されます。

 

路線価図に書かれた数字の読み方

路線価図では、道路の上に「300C」のような数字とアルファベットが書かれています。

  • 数字(例:300)は、その道路に面した土地の1平方メートルあたりの価格を千円単位で表します。「300」なら1平方メートルあたり30万円という意味です。
  • アルファベット(A〜G)は借地権割合を表します。借りている土地や貸している土地の評価で使う記号で、たとえば「C」は70%、「D」は60%です。自宅など自分名義で利用している土地だけを相続した場合は、通常は借地権割合を使わず、自用地として評価します。

 

福岡市内でも、地域によって路線価は大きく異なります。たとえば福岡県で最も路線価が高いのは福岡市中央区天神2丁目の渡辺通りで、令和7年分では1平方メートルあたり968万円(全国でも5位)でした(出典:国税庁 令和7年分路線価)。一方で、市街化調整区域や郊外では、そもそも路線価が定められていない地域もあります。次の章で、その場合の評価方法を説明します。

 

 

路線価方式と倍率方式|評価の2つの方法

土地の相続税評価には、大きく分けて路線価方式倍率方式の2つがあります。どちらを使うかは、その土地が「路線価の定められた地域(路線価地域)」にあるか、「定められていない地域(倍率地域)」にあるかで決まります。

 

方式 対象となる土地 おおまかな計算の考え方
路線価方式 路線価が定められた地域(天神・博多など市街地が中心) 路線価 × 土地の面積 × 補正率
倍率方式 路線価が定められていない地域(郊外・農村部など) 固定資産税評価額 × 倍率

 

路線価方式(天神・博多など市街地)

路線価方式では、土地が面した道路の路線価に、土地の面積と、土地の形状に応じた補正率を掛けて評価額を計算します。

 

モデルケース(概算)路線価が1平方メートルあたり30万円(路線価図の表示は「300」)の道路に面した、150平方メートルの整形地の場合、補正を考えなければ「30万円 × 150平方メートル=4,500万円」が評価額の目安になります。実際には土地の形状などによる補正が加わるため、この金額はあくまで考え方を示すモデルケースです。

 

倍率方式(福岡近郊・郊外)

糸島市や宗像市、那珂川市の一部など、路線価が定められていない地域では倍率方式を使います。これは、固定資産税評価額(毎年春に届く固定資産税の納税通知書や、市区町村で取得できる評価証明書で確認できます)に、国税庁が地域ごとに定めた倍率を掛けて計算する方法です。

 

倍率も路線価図と同じ国税庁のページにある「評価倍率表」で確認できます。同じ福岡市内や福岡近郊でも、土地の所在地によって路線価方式と倍率方式のどちらを使うかが異なる場合があります。必ず国税庁の路線価図・評価倍率表で、該当する土地の評価方式を確認しましょう。

 

【注意】
倍率方式では、
固定資産税評価額に倍率を掛けて相続税評価額を計算します。固定資産税の納税通知書には「固定資産税評価額」と「固定資産税課税標準額」の両方が記載されていることがありますが、使用するのは「固定資産税評価額」です
「固定資産税課税標準額」ではありませんので、間違えないよう注意しましょう。 

 

 

福岡で評価が割高・割安になりやすい土地

路線価に面積を掛けるだけでは、正確な評価額にはなりません。土地の形状や立地によって、評価額を増減させる「補正」が行われるためです。福岡の土地でよく問題になるケースを紹介します。

 

評価が下がりやすい(割安になりやすい)土地

  • 奥行きが極端に長い・短い土地:使いにくい形のため、奥行価格補正で評価が下がることがあります。
  • 間口が狭い土地:道路に接する幅が狭いと、間口狭小補正の対象になることがあります。
  • 三角形やいびつな形の土地(不整形地):使いにくさに応じて不整形地補正で評価が下がることがあります。古くからの市街地や入り組んだ住宅地に多く見られます。
  • 地積規模の大きな宅地:一定の面積要件・地区区分・容積率などの条件を満たす宅地は、「地積規模の大きな宅地の評価」により評価が下がる場合があります。

 

評価が上がりやすい(割高になりやすい)土地

  • 角地(2つの道路に面した土地):利用価値が高いため、側方路線影響加算で評価が上がることがあります。
  • 正面と裏面の2方向が道路に面した土地:二方路線影響加算で評価が上がることがあります。

 

天神・博多のように地価が上昇している地域では、路線価そのものが年々上がる傾向があります。令和7年分の路線価は全国平均で4年連続の上昇となり、福岡市中心部もその流れにあります(出典:国税庁 令和7年分路線価)。相続が発生した年によって評価額が変わるため、どの年分の路線価を使うかは必ず確認しましょう。

 

なお、賃貸アパートや貸家が建っている土地は、自用地よりも評価が下がる仕組みがあります。詳しくは福岡の賃貸アパート・貸家の相続税評価で解説しています。自宅の土地については、一定の要件を満たすと評価額を最大8割減らせる制度(小規模宅地等の特例)があり、福岡で小規模宅地等の特例を使う条件で詳しく取り上げています。

 

 

自分で計算するときの注意

路線価図で概算を出すこと自体は、誰でもできます。固定資産税の納税通知書で土地の面積を確認し、路線価を掛ければ、相続税がかかりそうかどうかの見当をつけるには十分役立ちます。

ただし、申告に使う正式な評価額を自分だけで確定するのは、おすすめできません。理由は次のとおりです。

 

  • 補正の判断が難しい:奥行・間口・不整形・角地などの補正は、図面や現地の状況をもとに細かく判断します。補正を見落とすと評価額が高くなりすぎ、相続税を払いすぎることがあります。
  • 1つの土地に複数の道路や条件が絡む:角地や複数の道路に面した土地では、計算が一気に複雑になります。
  • 特例や減額制度の適用を見落としやすい:小規模宅地等の特例などを使えるのに気づかず、本来より高い税額で申告してしまうケースがあります。
  • 評価が高すぎても低すぎてもリスクがある:高すぎれば払いすぎ、低すぎれば税務署からの指摘につながる可能性があります。

 

土地の評価は、相続税の金額を大きく左右します。「相続財産の評価が必要」と言われて不安に感じている方は、「相続財産の評価が必要のようですが」もあわせてご覧ください。福岡市内の土地は、天神・博多の商業地、住宅地、郊外の土地など、所在地や利用状況によって評価のポイントが異なります。判断に迷ったら、早めに専門家へ相談するのが安心です。

 

 

まとめ

  • 相続税の土地評価では、路線価が定められている地域については、国税庁が毎年7月1日ごろに公表する路線価をもとに計算します。
  • 福岡市の路線価は、国税庁の「路線価図」から無料で調べられます。数字は1平方メートルあたりの価格を千円単位で表します。
  • 路線価が定められた地域は路線価方式、定められていない郊外などは倍率方式で評価します。
  • 奥行・間口・不整形・角地などの補正で評価額は増減します。天神・博多など地価上昇地域では路線価自体も上がる傾向にあります。
  • 概算は自分でも出せますが、正式な評価額の確定や特例の適用判断は、専門家に確認するのが安心です。

 

福岡の相続税全体の流れは福岡の相続税ガイドでまとめています。土地の評価でお困りの際は、お気軽にご相談ください。

 

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※本記事は令和7年分(2025年)の路線価を基準に作成しています。路線価は毎年7月ごろに公表されるため、最新の路線価は国税庁の路線価図・評価倍率表でご確認ください。

 

 

福間 武士
本記事は税理士監修のもと作成しています。
監修・執筆:税理士 福間 武士
福間税理士事務所ふくおか相続税相談室 ほっと!代表。
1977年10月5日生 福岡市出身
・保有資格:税理士行政書士