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福岡の相続税の税務調査|入りやすいケースと指摘されやすい論点

2026/7/24

 

「うちにも相続税の税務調査が入るのだろうか」——福岡で相続を経験された方から、よくいただくご相談です。税務調査と聞くと身構えてしまいますが、どのような申告が対象になりやすいか、どんな点が指摘されやすいかを知っておけば、過度に不安になる必要はありません。

 

この記事では、相続税の税務調査が入りやすいケースと、指摘されやすい代表的な論点を、国税庁が公表している最新データをもとに整理します。あわせて、調査のリスクを下げる「書面添付制度」についても解説します。結論から言えば、正しく申告し、必要な備えをしておけば、調査を必要以上に恐れることはありません

 

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相続税の税務調査とは

相続税の税務調査とは、提出された相続税の申告書について、申告漏れや評価の誤りがないかを税務署が確認する手続きです。福岡県内であれば、福岡国税局管内の各税務署が担当します。

 

調査には、大きく分けて2つの形があります。

  • 実地調査:調査官が自宅などに来て、預金通帳や資料を確認しながら詳しく調べる調査。申告漏れの可能性が高いと見込まれた場合に行われます。
  • 簡易な接触:文書や電話、来署依頼による面接で、計算誤りや申告漏れの是正を促すもの。実地調査より件数が多く、行政指導の一環として行われます。

 

時期については、一般に相続税の申告書を提出してから1〜2年後に行われることが多く、夏から秋口にかけて集中する傾向があるとされます。申告した年にすぐ来るわけではないため、「しばらく経って忘れた頃に連絡が来た」というケースも珍しくありません。

 

 

調査が入りやすいケース

まず押さえておきたいのは、申告したすべての人に調査が入るわけではないという点です。実地調査が行われるのは申告件数の一部にとどまります。ただし、近年は税務署が金融機関のデータや各種支払調書、不動産取引情報などを蓄積し、AIも活用しながら「申告額が少ないのではないか」「本来は申告が必要なのに無申告ではないか」と見込まれる事案を絞り込んでいます。

 

国税庁の公表資料によると、令和6事務年度に実地調査が行われた相続税の案件のうち、約8割(82.3%)で申告漏れなどの指摘があり、1件あたりの申告漏れは平均で3,000万円を超え、追徴税額は平均867万円でした(国税庁「令和6事務年度における相続税の調査等の状況」令和7年12月公表)。つまり、調査対象に選ばれた段階で、何らかの指摘を受ける可能性は高いといえます。だからこそ、「そもそも調査対象に選ばれにくい、正確な申告」をしておくことが重要になります。

 

具体的には、次のような申告は調査で注目されやすい傾向があります。

  • 被相続人の収入や資産の規模に比べて、申告された財産が少なく見える
  • 生前に多額の預金が引き出されていたり、家族名義の口座へ資金が移動している
  • 不動産が多く現金が少ないなど、納税資金のために生前贈与や資金移動を繰り返していた
  • 海外に資産がある、または海外送金の記録がある
  • 税理士に依頼せず、相続人自身で申告している

福岡国税局管内でも、この傾向は全国とおおむね同じです。特に福岡市内や近郊は地価が比較的高く、自宅や土地の評価額が大きくなりやすいため、財産の総額が基礎控除を超えやすい点には注意が必要です。

 

 

よく指摘される項目

国税庁の同資料では、申告漏れが見つかった相続財産の内訳として、「現金・預貯金等」が最も多く(837億円)、次いで有価証券(393億円)、土地(353億円)と続いています(令和6事務年度)。預貯金まわりが指摘の中心であることが分かります。代表的な論点を整理します。

 

指摘されやすい項目 なぜ指摘されるか
名義預金 名義は家族でも、実質的に被相続人の財産と判断されることがある
手元現金(タンス預金) 亡くなる前に引き出した現金が、申告から漏れていないか確認される
生前贈与 贈与の事実や時期があいまいで、相続財産に加算すべきか問題になる
海外資産 国外の預金・不動産も課税対象。情報交換制度で把握されている
土地・非上場株式の評価 評価方法の誤りで、評価額が過少になっていないか確認される

 

名義預金(詳しくは関連記事へ)

最も指摘が多いのが、いわゆる名義預金です。配偶者や子・孫の名義になっていても、実際にお金を出していたのが被相続人であれば、その預金は被相続人の財産(相続財産)と判断されることがあります。何をもって名義預金と判断されるか、判定の考え方や過去の判例については、次の記事で詳しく解説しています。

 

 

手元現金・生前贈与・海外資産

亡くなる直前に口座から引き出した手元現金も、見落としやすい論点です。税務調査では過去にさかのぼって口座の入出金履歴が確認されるため、使い道が説明できない引き出しは指摘の対象になります。

 

また、生前贈与については、贈与の事実を示す記録(贈与契約書や受贈者自身が管理していた口座など)がないと、「実際には贈与が成立していなかった」と見られることがあります。海外資産も、CRS(共通報告基準)などの国際的な情報交換制度により、税務署は国外口座の情報を把握できる仕組みが整っています。「海外だから分からないだろう」という考えは通用しません。

 

これらの論点は、いずれも意図的に隠したと判断されると、通常より重い「重加算税」が課される可能性があります。令和6事務年度の実地調査でも、重加算税が課されたのは全体の13.6%にのぼりました(国税庁・前掲)。

 

 

調査に備える方法(書面添付制度など)

税務調査のリスクを下げるためにできることは、大きく次の3つです。

  1. 正確に、もれなく申告する:預金・現金・生前贈与・不動産評価を、根拠資料とともにきちんと整理する。
  2. 生前から記録を残す:贈与は契約書を作り、受贈者本人が口座を管理する。引き出した現金の使い道もメモしておく。
  3. 面添付制度を活用する:相続税に詳しい税理士に依頼し、書面添付制度を利用する。

 

書面添付制度とは

書面添付制度とは、税理士が申告書を作成する際に、「どの資料をもとに、何を確認し、どう判断して申告書を作ったか」を記載した書面を添付できる制度です(税理士法第33条の2)。いわば、税理士による「この申告書は適正に作成しました」という説明書のようなものです。この書面を作成できるのは税理士だけで、相続人がご自身で作成することはできません。

 

この書面が添付された申告書について税務署が調査を検討する場合、いきなり納税者本人に調査を行うのではなく、まず税理士に対して「意見聴取」を行うことが定められています(税理士法第35条)。この意見聴取の段階で税務署の疑問が解消されれば、実地調査に至らずに済むことがあります。納税者にとっては、調査の前にワンクッション置けるという安心感があります。

 

さらに、意見聴取の段階で自主的に修正申告を行った場合、過少申告加算税が課されない取扱いとなることがあります。 (ただし本税や延滞税はかかります)。

ただし、書面添付制度はあくまで「税務執行の円滑化」を目的とした制度であり、調査の省略を約束するものではありません。国税庁も「調査の省略を前提としているものではない」と明記しています。また、証拠隠滅などのおそれがある悪質なケースでは、意見聴取を経ずに調査が行われることもあります。「書面添付をすれば必ず調査が来ない」と断定はできない点にご注意ください。

 

 

福岡で不安なときの相談

「自分の申告で調査が来ないか心配」「すでに連絡が来てしまった」という場合は、相続税に詳しい税理士に早めに相談することをおすすめします。福岡で相続税を扱う事務所の中には、書面添付制度を積極的に活用し、税務調査のリスクを抑える取り組みをしているところもあります。

 

ふくおか相続税相談室 ほっと!(当事務所)では、代表税理士がすべての案件を直接担当し、原則として書面添付制度を活用しています。税務調査率は3%未満に抑えており、福岡・天神エリアのご家庭からのご相談を数多くお受けしています。料金も15万円〜の明朗会計で、事前に費用の見通しをお伝えします。費用の詳しい内訳は福岡で相続税申告を税理士に頼む費用相場のページをご覧ください。

 

福岡の相続税の全体像(申告・節税・税理士費用まで)は、福岡の相続税ガイドでも解説しています。あわせてご覧ください。

 

 

まとめ

  • 相続税の税務調査には「実地調査」と「簡易な接触」があり、申告から1〜2年後の夏〜秋に多いとされます。
  • 調査が入るのは申告件数の一部ですが、実地調査に選ばれた案件の約8割で申告漏れが指摘されています(国税庁・令和6事務年度)。
  • 指摘が多いのは、名義預金・手元現金・生前贈与・海外資産、そして土地や非上場株式の評価誤りです。
  • 書面添付制度を活用すると、調査前に税理士への意見聴取が行われ、調査リスクを下げられる可能性があります(ただし省略を約束する制度ではありません)。
  • 福岡で不安があれば、書面添付に対応した相続税に強い税理士に早めにご相談ください。

当事務所では、相続税の申告や税務調査への備えについて、無料でご相談いただけます。

 

ふくおか相続税相談室 ほっと!では、福岡の相続税申告を15万円から承っています。まずは無料でご相談いただけます。無料相談フォームお問い合わせフォーム・お電話(0120-975-218)から、お気軽にどうぞ。

 

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※本記事は2026年6月時点の情報をもとに、一般的な内容を分かりやすくまとめたものです。制度の数値・要件・期限は改正により変わる場合があり、記載の税額・評価額はモデルケース(概算)です。実際のお取り扱いは、最新の一次情報のご確認と、税理士への個別相談をおすすめします。

 

 

福間 武士
本記事は税理士監修のもと作成しています。
監修・執筆:税理士 福間 武士
福間税理士事務所ふくおか相続税相談室 ほっと!代表。
1977年10月5日生 福岡市出身
・保有資格:税理士行政書士