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【貸付用】福岡のアパート・駐車場の小規模宅地等の特例|200㎡50%減

2026/7/17

 

福岡市内でアパートや貸駐車場を所有する親が亡くなった——そんなとき、その土地の相続税評価額を下げられる「小規模宅地等の特例(一定の土地の評価額を減らせる制度)」が使えるかどうかは、相続税の負担を大きく左右します。賃貸用や駐車場の土地は、自宅とは要件も減額割合も異なります。

 

結論からお伝えすると、賃貸アパートや構築物のある駐車場の土地は、要件を満たせば200㎡まで評価額を50%減らせる場合があります。ただし「相続開始前3年以内に始めた貸付」や「青空駐車場」など、適用できないケースもあります。この記事では、貸付事業用宅地等の要件・3年以内の制限・駐車場の扱い・自宅との併用限度を、福岡のオーナー・相続人に向けて整理します。

 

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貸付事業用宅地等とは(200㎡まで50%減)

小規模宅地等の特例には、土地の使い方に応じていくつかの区分があります。賃貸物件や駐車場の土地は、このうち貸付事業用宅地等に当たります。

 

対象になるのは、被相続人(亡くなった方)やその生計を一にする親族が、不動産貸付業・駐車場業・自転車駐車場業などに使っていた宅地です。具体的には、賃貸アパート・賃貸マンション・貸家の敷地、第三者に貸している土地(貸宅地)、構築物のある貸駐車場などが含まれます。

 

区分ごとの減額割合と限度面積は次のとおりです(2026年6月時点・国税庁No.4124)。

 

区分 主な土地 限度面積 減額割合
特定居住用宅地等 自宅の土地 330㎡ 80%
特定事業用宅地等 商売(貸付以外)の土地 400㎡ 80%
貸付事業用宅地等 賃貸物件・貸駐車場など 200㎡ 50%

 

自宅(330㎡・80%減)に比べると、貸付用は限度面積も減額割合も小さい点に注意が必要です。減額幅が限られるぶん、「適用できるか」「どの土地に使うのが有利か」の判断が重要になります。

 

モデルケース(概算):
福岡市内に250㎡・評価額4,000万円のアパート敷地があり、貸付事業用宅地等の要件を満たす場合。限度面積の200㎡分が対象となるため、4,000万円 × 200㎡ ÷ 250㎡ × 50% = 1,600万円を評価額から減額でき、評価額は2,400万円になります。あくまで概算であり、実際の評価額や減額は土地の形状・賃貸状況などで変わります。

 

 

適用の要件と「相続開始前3年以内」の制限

貸付事業用宅地等として特例を受けるには、土地を相続した親族が次の要件をすべて満たす必要があります。

  • 事業承継要件:被相続人の貸付事業を引き継ぐこと
  • 事業継続要件:相続税の申告期限(相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内)まで、その貸付事業を続けていること
  • 保有継続要件:申告期限まで、その土地を所有し続けていること

 

つまり、相続後すぐに売却したり貸付をやめたりすると、特例を受けられなくなる場合があります。申告期限までの段取りについては、福岡で相続税の申告期限(10か月)に間に合わせる段取りもあわせてご覧ください。

 

相続直前に始めた貸付は原則対象外

平成30年度の税制改正により、相続開始前3年以内に新たに貸付事業を始めた宅地は、原則として貸付事業用宅地等から除かれることになりました。これは、亡くなる直前に現金で不動産を購入して貸付を始め、評価額を下げる「駆け込み節税」を防ぐための規定です。

 

ただし例外があります。相続開始の日まで3年を超えて、事業的規模で貸付(特定貸付事業)を行っていた被相続人等の貸付事業の用に供されていた宅地等については、3年以内貸付宅地等から除かれる場合があります。

事業的規模かどうかは、所得税の不動産所得で用いられる「5棟10室基準」などが一つの目安になります。ただし、小規模宅地等の特例でいう「特定貸付事業」に当たるかは個別判断となるため、賃貸借契約書・確定申告書・貸付規模などをもとに確認が必要です 。

 

又、3年を超えて貸付事業を行っていたことを示す賃貸借契約書や確定申告書などの書類が必要になります。判断が分かれやすい論点のため、心配な場合は税理士にご確認ください。

 

「事業」と言えるかどうかも要件

特例の前提として、貸付が「相当の対価を得て継続的に行う事業」であることが必要です。たとえば、子や親族に固定資産税程度の安い賃料で貸しているような場合は、事業とは認められず、特例の対象外となることがあります。福岡で親族間で建物や土地を貸している場合は、賃料の設定が適正かどうかも確認しておきましょう。

 

 

駐車場の扱い(構築物の有無がポイント)

駐車場の土地に特例を使えるかどうかは、地面の上に構築物があるかで大きく変わります。小規模宅地等の特例は「建物または構築物の敷地」であることが条件のためです。

 

  • 対象になりやすい:アスファルト舗装・コンクリート舗装など、土地の上に構築物があるといえる駐車場、精算機・ゲートなどの設備があるコインパーキング
  • 原則として対象外:更地にロープを張っただけ、舗装や設備がない、いわゆる「青空駐車場」

 

砂利敷きについては、明確な砂利が敷かれていれば構築物と認められることがある一方、砂利が地中に埋もれて構築物とはいえないとして適用が認められなかった裁決例もあります。実際の判断は現地の状況を確認したうえで慎重に行う必要があるため、福岡で月極駐車場やコインパーキングを所有している方は、まず「舗装や区画があるか」を確認してみてください。

 

 

自宅など他の宅地との併用限度

自宅の土地(特定居住用宅地等)と貸付用の土地の両方がある場合、それぞれの限度面積をまるごと使えるわけではありません。貸付事業用宅地等を選ぶときは、合計の限度面積を次の算式で判定します(国税庁・相続税の申告要否判定コーナー)。

 

(特定居住用の面積 × 200/330)+(特定事業用の面積 × 200/400)+ 貸付事業用の面積 ≦ 200㎡

 

たとえば自宅の土地に330㎡フルで居住用の特例(80%減)を使うと、330㎡ × 200/330=200㎡となり、計算上の枠を使い切ってしまいます。この場合、同じ相続で貸付用に回せる面積は残りません。

 

一方、減額割合は自宅が80%・貸付用が50%と差があるため、「面積の大きい土地」より「1㎡あたりの減額が大きい土地」を優先したほうが有利になることもあります。どの土地に特例を割り当てるかで相続税額が変わるため、複数の土地がある方は早めにシミュレーションしておくことをおすすめします。

 

併用の計算は複雑で、土地ごとの評価額や面積によって最適な組み合わせが変わります。ここでは概要にとどめ、実際の有利判定は税理士にご相談ください。自宅の特例の詳しい要件は【自宅】福岡で小規模宅地等の特例を使う条件|330㎡まで80%減で解説しています。

 

 

福岡の賃貸オーナー・相続人が注意したいこと

福岡市は天神・博多の再開発やアイランドシティ(東区)の人口流入を背景に、賃貸需要が底堅いエリアです。地価も上昇傾向にあり、賃貸物件の土地評価額が想定より高くなっているケースも珍しくありません。だからこそ、特例を使えるかどうかが税額に直結します。注意したいポイントを整理します。

 

  • 相続開始時点で「貸している」状態か:空室が長く続き貸付をやめていたとみなされると、対象から外れることがあります。入居者募集を続けている一時的な空室は、貸付が継続しているとして対象に含められる場合があります。
  • 3年以内に始めた賃貸・駐車場に注意:相続前に節税目的で始めた貸付は、原則対象外です。
  • 駐車場は舗装・設備の有無を確認:青空駐車場は対象外になりやすいため、活用方法の見直しが対策になることもあります。
  • 申告期限まで貸付・保有を続ける:相続後すぐの売却・廃業は要件を満たさなくなる可能性があります。

 

賃貸物件は、土地そのものの評価でも「貸家建付地」として評価額を下げられる場合があり、小規模宅地等の特例と組み合わせると負担を抑えやすくなります。土地の評価については福岡の賃貸アパート・貸家の相続税評価|貸家建付地で評価を下げるを、生前からの備えについては福岡の不動産オーナーの相続税対策|賃貸経営・法人化・生前贈与をご覧ください。

 

 

まとめ

  • 賃貸アパートや構築物のある駐車場の土地は、要件を満たせば200㎡まで評価額を50%減額できる場合があります(貸付事業用宅地等)。
  • 相続開始前3年以内に始めた貸付は原則対象外。ただし3年を超えて事業的規模で続けていた場合は例外があります。
  • 駐車場は舗装などの構築物が必要で、青空駐車場は対象外になりやすい点に注意。
  • 自宅など他の土地と併用するときは限度面積の調整計算が必要で、どの土地に使うかで税額が変わります。
  • 適用可否や有利判定は個別の状況で異なるため、判断に迷うときは税理士へご相談ください。

 

福岡の相続税の全体像は福岡の相続税ガイド|申告・節税・税理士費用まで税理士が解説でまとめています。

 

賃貸物件や駐車場の相続は、「特例が使えるか」「どの土地に使うと有利か」で結果が大きく変わります。福間税理士事務所では、福岡の不動産相続の実績をもとに、特例の適用可否や有利判定を含めてご案内します。まずは無料でご相談いただけます。

 

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※本記事は2026年6月時点の情報をもとに、一般的な内容を分かりやすくまとめたものです。制度の数値・要件・期限は改正により変わる場合があり、記載の税額・評価額はモデルケース(概算)です。実際のお取り扱いは、最新の一次情報のご確認と、税理士への個別相談をおすすめします。

 

 

福間 武士
本記事は税理士監修のもと作成しています。
監修・執筆:税理士 福間 武士
福間税理士事務所ふくおか相続税相談室 ほっと!代表。
1977年10月5日生 福岡市出身
・保有資格:税理士行政書士